公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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『スクランブル』若竹七海

男からすれば、女子校というのは畏れ多きもの。 う~ん、なるほどなぁ、と納得ずくのミステリーでした。

女子校のモットー『教養も学歴もあるが、体制に都合の悪いことは何にも知らない』を誇らしく実践している一般の生徒たち

いや、それは建前でしょうけれど。

家族でも伝わらないことってあるんだよね。

親に相手を見つけてもらうのってどうしても嫌なんだけれど、そこがわかってもらえない。

有り体に言うと、まず先に親が気に入った男となんか、寝る気になんないんだ。

親と寝るみたいな感じで。

6人の女子高校生たちが、軽口を叩きながら、校内のシャワールームで起きた殺人事件の真相を、最後の最後で解き明かす。
個々のプロットも素晴らしい作品でした。

仮想通貨の会計ルールと株主総会の季節


仮想通貨の会計ルールと
株主総会の季節


次の【資料1:関連ブログ】は、2017年6月11日付。
【資料1:関連ブログ】
その翌々日に、日本経済新聞で「ビットコイン3000ドル突破、投資家に聞く―荒い値動き、投資尺度見当たらず」というタイトルの記事が掲載されていました。
日経はいまだ「見当たらず」のようです。 「いや、あるんだな、それが」というのが、【資料1:関連ブログ】の所見です。
6月22日に、「仮想通貨に会計ルール、9月メド草案、時価評価など議論」という記事を見かけました。 塩漬けにして嘆き悲しむ人が急増する前に、ルールを定めておくのは、よいことです。 会計ルールというのは事後評価ですから、このルールが定められたからといって、ビットコインなどに投資尺度がないのは従前通り。 日本経済新聞で同じ6月22日に、「仮想通貨トラブル急増、『必ず値上がり』高齢者勧誘」という記事も掲載されていました。 投資や投機は、自己責任であることを、お忘れなく。
6月29日は、株主総会開催が集中する日。 仮想通貨には値上がり期待しかないけれど、株式には株主優待というのがあります。 おまけに、株主総会に出席すると、手土産がもらえる。 ところが、最近は、それが中止になりつつある。 欠席株主との公平性を保つためだとか。 何もかもがインターネットで対応できる時代。 投資も味気なくなりました。

斯界の権威や第一人者たちを人差し指1本で投げ飛ばす


斯界の権威や第一人者たちを
人差し指1本で投げ飛ばす


全米オープンゴルフが開催されていた週末、テレビ観戦しながら、次の書籍をつらつらと読んでいました。
上掲書は、青チャートの最新版ではありません。
最新版は「数C」のない「数Ⅲ」であり、それでは不十分と考えて、私(高田直芳)は「数ⅢC」を利用しています。
上掲書267ページに、「微分方程式の解法」の1つとして、次の【資料1】にある「変数分離形」が紹介されています。
【資料1】チャート式 基礎からの数ⅢC 改訂版』267ページ

変数分離形 ……(1)の解法

(1)の両辺を について積分して

すなわち

これを解いて の形の一般解が得られる。

以下、権威主義の前で土下座をしている人たちには、まったく理解できない話をしていきます。
次の【資料2:関連ブログ】では、その冒頭に「タカダ式コスト関数(タカダ式費用関数) 」を提示しています。
【資料2:関連ブログ】
「タカダ式コスト関数(タカダ式費用関数) 」は、何の根拠もなく、こじつけで編み出したものではありません。 上記【資料1】にある「変数分離形」で導くことができます。 それを以下で証明してみましょう。
売上高を 、総コスト(総費用)を とします。 売上高の微増 に対し、総コスト(総費用)が だけ微増するとします。 コストの微増分 は、総コスト(総費用) に比例し、売上高の微増 に比例するので、比例定数を とすると、次の式になります。
【資料3】

比例定数 を、【資料2】では「予算係数」と定義しており、この逆数が「予算操業度売上高」になります。 予算操業度売上高(比例定数 の逆数)は、製造業・流通業・サービス業の別なく、「操業度としての予算」となるものです。
上記【資料3】は、次の式に書き換えられます。
【資料4】

上記【資料4】の微分方程式が、【資料1】の「変数分離形」です。 上記【資料4】は次の【資料5】のように変形して、左辺を だけで書き表わし、右辺を だけで書き表わすことができます。
【資料5】

上記【資料5】の両辺を積分すると、【資料6】になります。
【資料6】

上記【資料6】の積分を実行すると、【資料7】の式を得ます。
【資料7】

上記【資料7】は、【資料1】の一般解 に対する個別解になります。
上記【資料7】は対数の式であり、これを指数の式に直すと【資料8】になります。
【資料8】

初期条件を とします。 この場合の初期条件とは、売上高がゼロの場合( )でも発生するコスト、すなわち「固定費」のことです。 CVP分析損益分岐点分析)という愚論と混同されては迷惑なので、「固定費」ではなく、「基準固定費」と呼びます。
【資料9】

上記【資料9】で求めた積分定数 を【資料8】に代入すると、【資料10】になります。
【資料10】

上記【資料10】を描いたのが、次の【資料11】にある曲線ABCDEです。
【資料11】
画像
上記【資料11】の曲線ABCDEは、縦軸上の点A(基準固定費)を起点として、複利曲線で描かれています。 次の関連ブログで紹介したように、富士山の稜線と同じです。
【資料12:関連ブログ】
上記【資料11】の特徴は、単に複利曲線を描いているにとどまりません。 原点Oから、右上がりの直線OBE(売上高線)を描き、そこに経済学の利潤最大条件(限界収入MR=限界費用MC)を当てはめている点にあります。 上記【資料11】は、会計学に、数学・経済学・物理学などのノウハウを投入して描いたものです。
企業のコスト関数(費用関数)は「複利曲線で描かれる」という命題は、次に示すように、現実の企業活動を観察することによっても裏付けられます。
【資料13】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
以上の論旨は、次の受賞論文で詳しく説明しています。
【資料14】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

数学の証明においても、また、現実の企業活動を観察した経緯においても、タカダ式コスト関数(タカダ式費用関数) は、よく整合していると自負するものがあります。 同じような証明ができるのか、学界の権威や実務界の第一人者たちよ。

富士山はなぜ美しいのか


富士山は、なぜ、美しいのか

仕事柄、東北新幹線や東海道新幹線は、かなりの回数を利用します。 先日、新富士駅のホームに降り立ったとき、晴れ上がった空に、富士山を仰ぎ見ました。
富士山は、なぜ、美しいのか。 下掲書69ページにおいて、富士山は成層円錐火山であり、その稜線が対数曲線を描くからだと、その理由が説明されています。 自称「曲線愛好家」としては、遠くに富士山を眺めるだけで満足まんぞく。 アウトドア派ではないので、山に登ろうとまでは思いません。
富士山は一時期、「不法投棄の山」と呼ばれたことがあります。 世界遺産に登録されて、ゴミは一掃されたのでしょうか。 個人的には、一掃されたゴミはどこへ消えたのか、ということに関心があります。 マスコミは、事件が起きるたびに、「何とかならなかったのでしょうか」と無責任な批判を繰り返す。 例えば、目の前に山積みされたゴミを消すために、どれだけのものが犠牲になっているのかを、マスコミや世間は知らない。 批判するだけ批判して、眼前の風景がキレイになったらそれで満足してしまう。 その裏で何が行なわれているのか(隠蔽されているか)、知らないんだよなぁ。

会計学の源流は江戸時代の和算にあり


会計学の源流は
江戸時代の和算にあり


次の書籍を読んでいて、つくづく痛感したことがあります。 日本で語られている会計学は、江戸時代の和算の延長線上にあることを。
上掲書は、「経済数学」と謳ってはいるものの、数式はほとんど登場しません。 縦書きでもよかったのではないかな、と思えるほど。
経済学・数学・物理学に関する話題をてんこ盛りにして、圧倒的な文章量で、読む者を魅了します。
ケインズ経済学を学んだところまでで社会に出てしまった人は、先の関連ブログで紹介した『日本経済図説』が副読本として役立つでしょう。
経済学は、物理学や数学からのノウハウの流入が凄まじい。 それに引き換え、会計学は、経済学や物理学などから見向きもされない。 現代の会計学は、関孝和(1642~1708)などが展開した「和算」の流儀を受け継いでいるといえます。 他の分野から影響を受けることなく、他の分野へ影響を及ぼすこともなく。 ひたすら重箱の隅をほじくる学問体系。 古典派会計学と呼ぶに相応しい。

公認会計士高田直芳:『日本経済図説』宮崎 勇


『日本経済図説』
宮崎 勇


かなり気合いを入れて読まないと、本を閉じた瞬間に忘れてしまう。 ただし、右側に本文があって、左側に図表があるという、斬新な構成なので、本を閉じても図表のほうが記憶に残ります。
だらだらとした文章を書くだけなら、誰でも書ける。 図表とセットになっているところに、この書籍のすごさがある。

先日ある小学生から

「ボクが綺麗な紙に、上手に1000円と書いて持っていっても、店で100円の物も売ってくれない。クシャクシャになった1000円を持っていったら100円の10倍のものを黙って売ってくれた。どうしてなの」

と聞かれた。 〔宮崎 勇『日本経済図説』

日本銀行券は──」などと説明しても、子どもは納得してくれない。 難しいことを、やさしく説明する行為ほど、難しいものはない。

公認会計士高田直芳:『ヒポクラテスの誓い』中山七里


ヒポクラテスの誓い』
中山七里


非常に面白かった。 医療関係者にとっては、「とんでも本」なのでしょうけれど。
先に読んだ『図書館戦争』も、憲法学者などからすれば「とんでも本」になります。
「あり得ない話」だとしても、まぁ、いいじゃないですか。 余暇を快適に過ごすための、エンターテインメントとして楽しめれば。
セリフの端々に、作者として必死に考えた跡があって、これが素晴らしい。

恥を掻き、己の到らなさを曝け出されても、次に繋げるために学習の機会を逃さない。そういう人間は必ず前に進める。

いったんは立ち止まったとしても、すぐにまた正しい道を目指すことができる。

中山七里『ヒポクラテスの誓い』

部下にとって一番不幸なのは、暴君のような上司に当たった時ではない。

無能な上司に当たった時でもない。

責任を取りたがらない上司に当たった時が最悪なのだ。

中山七里『ヒポクラテスの誓い』

公私混同は真琴が一番嫌う言葉の一つだった。

いい齢をした大人、特に公務員と呼ばれる大人たちが公務に私事を持ち込んでニュース沙汰になる度、顔を顰めたものだ。

公務員の給料は税金を財源としている。それなのに私事を持ち込み、あろうことか肩書きや立場を私利私欲に利用している輩が存在している。

中山七里『ヒポクラテスの誓い』
以前、年金事務所を訪れたとき、隣のブースで怒鳴り声が聞こえた。 「オレを誰だと思ってるんだ。△△県の〇〇部長を務めた男だぞ!」 退職後にも、「元〇〇出身」という肩書きを振り回すのは、公務員に共通する本性のようです。 はいはい、そうなんですか。 △△や〇〇の固有名詞は、今でも、よぉく記憶にとどめていますよ、元部長さん。

公認会計士高田直芳:ビットコインの投資尺度タカダ式操業度分析タカダ式確率微分方程式


ビットコインの投資尺度
タカダ式操業度分析
タカダ式確率微分方程式


2017年5月30日付の日本経済新聞『真相深層』では、「ビットコイン、危うい急騰、日本の個人マネー流入、投資尺度なく価格乱高下」というタイトルの記事が掲載されていました。
ビットコインに投資尺度、ありやなしや。
2014年に、仮想通貨取引所のマウントゴックスが経営破綻したとき、個人的に試してみようと考えたのが、ビットコインの投資尺度に「タカダ式確率微分方程式」を使えないか、ということでした。
「タカダ式確率微分方程式」というのは、次の【資料1】の受賞論文で述べている「タカダ式操業度分析」などに、【資料2:関連ブログ】で紹介している「ブラックショールズ方程式」を組み合わせたものです。
【資料1】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

【資料2:関連ブログ】
当初、ドルやユーロなどのFX投資に、「タカダ式確率微分方程式」を当てはめてみましたが、収支トントンのまま。 理由は、為替相場には、「双方向性」があるからです。 すなわち、円安でも円高でも、得になったり損になったり。 それに対し、ビットコインは、価格が上昇すれば含み益が膨らむ「偏向性」があり、株価と同じ性格です。 複利的に増殖し、複利的に減衰する過程では、「タカダ式確率微分方程式」に内蔵された「タカダ式操業度分析」が強く作用します。
上記【資料1】で述べている「タカダ式操業度分析」単体は、企業の連結財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)を利用するものであり、決算書のない為替相場ビットコインでは使えない。 また、「タカダ式操業度分析」や「最適資本構成タカダ理論」などは「決定論」であり、将来の不確実性には対処できない。 そうした弱点を補完してくれるのが、「ブラックショールズ方程式」です。 不確実性に富んだ複利曲線上のどこに、経済学の利潤最大条件「限界収入MR=限界費用MC」が現われるのか。 「決定論」に「確率論」を加味したのが、「タカダ式確率微分方程式」です。 なお、「タカダ式操業度分析」や「最適資本構成タカダ理論」については、上記【資料1】の受賞論文のほかに次の拙著を参照。 「タカダ式操業度分析」だけではうまく立ち回れなくても、「ブラックショールズ方程式」を加味した「タカダ式確率微分方程式」のほうは、ビットコインでうまく機能するのではないか、と当時(2014年頃)考えました。
案の定、昨年(2016年)まで、ビットコインに対する「タカダ式確率微分方程式」は、「買いのシグナル」。 ところが、今年(2017年)になると、「タカダ式確率微分方程式」は一転して「売りのシグナル」。 「なんでかなぁ~」と思っていたところへ、冒頭の日経記事(2017年5月30日付)を見かけたのでした。 なるほど、ここが潮時なのか。 冒頭の日経記事では、800万円の元手を3億円にまで膨らませた「にわか長者」の話があったので、ここが「利益確定」の頃合いなのでしょう。 これ以上、欲をかいては、元も子もなくします。
株式市場や為替市場では、アルゴリズムビッグデータ人工知能AI を組み合わせた超高速短期売買が主流。 ヘッジファンドの経済力に、個人が対抗できる余地はありません。 経済新聞や経済雑誌では、相も変わらず「高ROE低PER銘柄を発掘せよ」という。 そんな都合のいい銘柄があるわけない。 情報不足の個人投資家は、決算番付や決算ランキングに掲載されている銘柄に頼りたくなる。 残念ながら、これは昔から「手を出してはいけない銘柄一覧」です。 冒頭の日本経済新聞では、ビットコインに投資尺度はないという。 いや、あるんだな、これが。

公認会計士高田直芳:多読の勧め~今日は「ミリカンの油滴実験」まで~


多読の勧め
~今日は「ミリカンの油滴実験」まで~


3月決算会社の監査や税務を無事に乗り切って、このところ専門書を買い漁っています。 といっても、経済学書であれば、次の3冊で十分です。
マンキュー経済学Ⅰミクロ編
N.グレゴリー マンキュー
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『マンキュー・ミクロ経済学』は、2017年6月8日付の日本経済新聞『春秋』でも取り上げられていました。 クルーグマン教授とスティグリッツ教授は、安倍総理の経済顧問みたいな存在(2017年5月18日付の日本経済新聞)。 日本人は、ノーベル賞という権威が大好きだからなぁ。 その権威の言に乗って、昨年、ヘリコプターマネーでもばらまくかと心配していましたが、そういう事態にはならないようです。
税法については、この6月に新刊が続々登場。 法人税所得税などは、隔年で買い換えることにしています。 そうしないと、整理しきれない。
経済学や会計税務以外で買い漁っているのは、物理学や数学などの自然科学系の専門書。 三角関数微分積分・行列関数がいっぱい、いっぱい。 私はその道の専門家ではないので、取り立てて紹介するものではありません。 現在の高校数学では、行列を習わないのだとか。 「習わなかったから、わかりません」というのは、実務では通用しません。
某企業の部長さんから聞いた話。 少し前の若手社員は、ミスをしたとき「それは学校で習いませんでした」という答えたかたをした。 今の若手社員は、「それは知っていました」と答えるらしい。 知っていたのなら、ちゃんとやれよ! と怒鳴る言葉を飲み込む部長の心境を察したい。
さて、経済学書は上掲の3冊以外は不要ですが、自然科学系は読んでみないとわからない。 10冊のうち、理解できるのは1冊くらいのペース。 最近では、「ミリカンの油滴実験」を理解するのに、どんだけ費やしたか。 今年の夏は、多読です。

公認会計士高田直芳:『人物で語る物理入門』米沢富美子


『人物で語る物理入門』
米沢富美子


午前中で仕事を終えて帰宅する途次、カーナビで公立図書館を見つけた。 これは立ち寄らねばなるまい。
図書館とは名ばかりで、公民館の空きスペースに本棚を構えたつくり。
昼下がりとあって、人影はまばら。 というか、定年退職したと覚しき人たちが、ロビーのソファでお昼寝中。
小山市立図書館とは異なり、書棚に並ぶ書籍が手垢にまみれていない。 利用者が少ないのでしょう。
近隣市町村の公立図書館なので新たに利用者カードを作る必要はないけれど、返却するためにまた訪ねに来るのも面倒だ。 ということで、上掲の2冊を立ち読みしました。
女性の物理学者というのは珍しい。 セクハラだと非難されても困ります。 女性だけあって、語り口が非常にソフト。 ぐいぐいと引き込まれるように読み終えました。
アインシュタイン特殊相対性理論よりも7年前に、ポアンカレが同旨の論文を発表していたんですね。 一般相対性理論でも、ヒルベルトアインシュタインよりも5日だけ早く投稿していた。 自然科学という分野は、理論が成熟していくと、誰かがどこかで到達するのでしょう。 先陣争いが凄まじい。 誰が頂点を極めるのか、ライバル達が切磋琢磨する「自然科学の世界」は、後学の者を圧倒させる迫力があります。
それに引き換え、会計学は──。 管理会計や経営分析といったタイトルの書籍を手に取ると、相も変わらずCVP分析損益分岐点分析)のオンパレード。 何を考えているんだ、こいつらは。

公認会計士高田直芳:自社の供給曲線が水平になっていることを理解できない上場企業


自社の供給曲線が
水平になっていることを
理解できない上場企業


次の関連ブログでは、会計学者や公認会計士などの会計専門家が扱う供給曲線は、横軸に水平に描かれることを説明しました。
【資料1:関連ブログ】
私のその説明に納得できない人たちが、上場企業を中心にかなりの数にのぼるようです。
IFRSや会計基準などで難解な英文や和文に慣れ親しんではいても、簡単な代数学幾何学を頭の中で描くことすら苦手らしい。
「数学嫌い」の人たちのために、以下で簡単にフォローしておきます。
供給曲線の本質は限界費用曲線であり、限界費用曲線は総費用曲線の「接線の傾き」を繋ぎ合わせたものです。
これは次の『マンキュー・ミクロ経済学』で説明されていることなので、異論を差し挟む余地はありません。 管理会計などの会計専門書では、次のCVP図表または損益分岐点図表と呼ばれるものが必ず掲載されます。
【資料2】CVP図表(損益分岐点図表)
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上記【資料2】にある売上高線ODを消去したものが、次の【資料3】になります。
【資料3】公式法変動予算の図
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上記【資料3】を「公式法変動予算の図」といい、この図をもとに、上場企業では次の原価計算制度が採用され運用されています。
【資料4】
注目すべきは、【資料2】にある線分ACと、【資料3】にある線分BCです。 これらはどちらも、総費用直線を表わします。 これらの総費用直線の「傾き」が、供給曲線を表わすことになります。
曲線の傾きは、微分によって求めることができます。 総費用直線は  ですから、これを微分すると、 になります。 これは縦軸上の  を起点とし、ここから横軸に平行な直線(水平線)を描くことになります。 つまり、【資料2】や【資料3】から導かれる供給曲線は、水平線として描かれる、ということです。
ちなみに、経済学者の多くは、総費用曲線を2次関数  で描きます。 これを微分すると、  となり、右上がりで直線形の供給曲線が描かれます。 一部の経済学者は、総費用曲線を3次関数  で描きます。 これを微分すると、  となり、右上がりで反り返るような供給曲線が描かれます。
さて、日本の上場企業では何が行なわれているか。 あなたがたは、【資料2】や【資料3】を用いて、【資料4】の原価計算制度を採用し運用しています。 したがって、あなたがたは、横軸に平行な供給曲線(水平線)で商売をしていることになります。 供給曲線が水平状態にあるというのは、供給の価格弾力性が無限大にあることです。 これは、次の状況にあることを意味します。
【資料5】

  • 原材料を発注すれば、地球上のあらゆるところから、最低価格で購入することができ、即座に届く。

  • 必要な労働者を即座に最低賃金で雇うことができ、不要になれば即座に解雇することができる。
上場という看板をぶら下げて、あなたがたは何をやっているんだか。 難解な会計基準の読解や原価計算制度の運用には優れていても、簡単な代数学幾何学の知識さえないらしい。 いや、待てよ。 昨今の残業問題や過労問題は、原価計算制度 → 供給曲線が水平になる、という理論的な帰結なのかも、と思えるのでありました。

公認会計士高田直芳:『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』真貝寿明


ブラックホール・膨張宇宙・重力波
一般相対性理論の100年と展開
真貝寿明


スマートフォンカーナビゲーションが何不自由なく使いこなせるのは、人工衛星の速度補正や、地球重力の赤方偏移効果によって、正しい計算数値が導かれるからです。
これらはすべて、アインシュタイン相対性理論のおかげです。
「時空が揺れる重力波を世界で初めて観測した米大学などの研究チーム『LIGO(ライゴ)』が1日、重力波の3回目の検出に成功した」(日本経済新聞2017年6月2日)という報道がありました。 その原因となったのが、上掲書のタイトルにもなっているブラックホール
アインシュタイン一般相対性理論は、数学者ヒルベルトとの間で「先取り争い」があったのは有名な話。 なぜ、アインシュタインに軍配が上がったのか、という経緯を、上掲書で確認することができました。
ウィキペディアで「スペクトル分類」を検索すると、「OBAFGKM」という無機質な分類が登場します。 これが " Oh Be A Fine Girl, Kiss Me! "(ああ、お上品な女の子になってキスしてください!)に繋がるんだなぁ、と1人で納得。
これから人工知能AI がどんどん発達すると、人工知能AI はビッグデータを操って、ヒトには理解できない計算結果を導き出すことでしょう。 そうなれば、次の方程式などは、人智が導き出した最後の方程式になるのかも。
【資料1】アインシュタインの重力方程式

このブログで以前紹介した「四色問題」に人気がないのは、その解決方法が、コンピュータを用いた力業に頼ったからだといわれます。 人工知能AI 同士の将棋や囲碁の対局を観戦する気になれないのと同じこと。
医学生理学の世界では、ゲノム編集によって、人体改造が可能な段階にまで達しているらしい。 ドーピング検査にひっかからない超人が、いずれオリンピックに出場することになりそう。 そんなスポーツ競技、誰が観戦するというのだろう。 次の方程式を眺めながら、夜空を見上げるほうが、人間くさくていいなと。
【資料3】シュヴァルツシルトブラックホール

そういえば、この地球上で、極小のブラックホールを生成することは、理論上すでに可能らしい。 倫理観の欠如した科学者が、火遊び感覚でブラックホールを作り出し、地球を一瞬で滅ぼすことになるのかもしれない。

公認会計士高田直芳:アマゾンの最安値問題を説明できない会計学の愚かさを問う〔その3〕


アマゾンの最安値問題を
説明できない会計学の愚かさを問う
その3


今回は、第3回です。 前2回は、次の説明を行ないました。
【資料1】

  1. アマゾンの最安値問題 【関連ブログ その1】
    → 価格上限規制
    → 生産者余剰の一部が、消費者余剰へ転嫁される。

  2. 酒類販売の安値販売の規制強化 【関連ブログ その2】
    → 価格下限規制
    → 消費者余剰の一部が、生産者余剰へ転嫁される。
上記の問題が起きるのは、価格弾力性に原因があるからです。 次の書籍246ページで、その理由が述べられています。 【資料1】の事例において、もし、アマゾンへの納入業者が直面する供給曲線の価格弾力性が「1」よりもはるかに大きいのであれば(無限大であるならば)、公正取引委員会が目くじらを立てることはありません。 なぜなら、生産者余剰は限りなくゼロとなり、アマゾンによって搾取されるものがないからです。 価格弾力性が「1」よりもはるかに小さいから、公正取引委員会が介入するのです。
そこでまず、価格弾力性が「1」よりもはるかに大きい(無限大になる)ケースを考えてみることにします。 これは、供給曲線が水平になる、ということです。 それを図解しているのが、次の書籍152ページに掲載されている〔図5-6 供給の価格弾力性はどのように変化するか〕です。
マンキュー ミクロ経済学
N.グレゴリー マンキュー
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上掲書〔図5-6〕の一部を描いたのが、次の【資料2】です。
【資料2】供給曲線の価格弾力性
画像
世界に名だたるマンキュー教授が描くのですから、【資料2】は正しいのでしょう。 そうなると、いくつかの疑問が浮かび上がります。
そもそも、供給曲線は、どのようにして描かれるのでしょうか。 『マンキュー・ミクロ経済学』414ページでは、短期の供給曲線の根拠が記述されています。 また、同書417ページでは、長期の供給曲線の根拠が記述されています。 短期にしろ、長期にしろ、限界費用を連ねたものが供給曲線になる、というのが経済学の結論です。
では、限界費用とは何か。 これは総費用曲線上の「接線の傾き」のことです。 会計学の用語でいえば、変動費率のこと。(変動費ではありません) したがって、変動費率(限界費用)を連ねたものが、供給曲線になります。
会計学では、変動費率をどのようにして表わしているのか。 これは「何とかの一つ覚え」みたいに、次に掲げるCVP図表(損益分岐点図表)というものを利用します。
【資料3】CVP図表(損益分岐点図表)
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上記【資料3】において、∠CABは変動費率、すなわち限界費用を表わします。 この変動費率(限界費用)の傾きは、一定です。 したがって、会計学では、供給曲線を、横軸に水平で描くことになります。 これは何を意味するか。
会計学では供給曲線を水平に描くのですから、
    →供給の価格弾力性は「1」よりもはるかに大きく、無限大となり、
    →生産者余剰はゼロとなります。
したがって、会計学者や公認会計士などの会計専門家の立場からすると、
    →アマゾンジャパンが、納入業者に対して最安値を要求する行為は、納入業者にとって何ら不利益とならず、
    →アマゾンジャパンの最恵待遇条項は、まっとうな約款であり、
という結論になります。 へぇ、そうなんですか。 ──まったく何を考えているんだか。 こういう、とんちんかんな結論を導く会計学を、古典派会計学といいます。
参考までに述べると、【資料3】で、供給の価格弾力性を「1」よりも大きく描くことは可能です。 それは、総費用線ACの傾きが、売上高線ODを上回る場合です。 ただし、この場合、固定費はマイナスに転落します。 そうした作図が、理論として成り立つのかどうか。 前世紀(20世紀)初頭から百年以上もの間、「成り立つのだ」としてきたのが、古典派会計学です。 ──まったく何を考えているんだか。
古典派会計学の、どこに誤りがあるのでしょうか。 現実の企業活動を観察すると、次の【資料4】に示す事実を見出すことができます。
【資料4】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
つまり、企業のコスト構造の本質は、複利計算構造にあることがわかります。 上記【資料4】の命題に基づいて、企業のコスト構造を描くと、次の【資料5】になります。
【資料5】タカダ式操業度分析
画像
上記【資料5】で描かれている曲線ABCDEは、複利曲線です。 それに対し、【資料3】では、企業のコスト構造を右上がりの直線で描いています。 これは企業のコスト構造を、単利計算構造で捉えていることになります。 企業のコスト構造は複利計算構造を内蔵しているにもかかわらず、それを単利計算構造で解き明かそうとする古典派会計学が、如何にとんちんかんな理論であるか、知れようというものです。
上記【資料5】にある曲線ABCDE上の接線の傾きは限界費用なのですから、これを繋ぎ合わせると、次の【資料6】の供給曲線を描くことができます。
【資料6】タカダ式操業度分析から導かれる供給曲線
画像
上記【資料6】が、【資料2】および『マンキュー・ミクロ経済学』152ページ〔図5-6〕とよく似ていることを確認してみてください。 上記【資料6】で表示している方程式は、【資料5】から導かれる供給曲線の方程式です。
【資料4】から【資料6】までの理論に基づいた場合、アマゾンジャパンの最恵待遇条項は不当な約款であり、公正取引委員会が介入する行為は正しい、という結論が導かれます。 以上が、100万人が信奉する古典派会計学に対して、たった1人で対抗する「会計物理学の世界」です。 なお、【資料4】と【資料5】の詳細は、次の受賞論文を参照のこと。
【資料7】
CVP分析(損益分岐点分析)に立脚した古典派会計学を墨守する人たちに警告しておく。 そのような体たらくだから、いつまで経っても会計学は、経済学から見下されるのだということを。

公認会計士高田直芳:アマゾンの最安値問題を説明できない会計学の愚かさを問う(その2)


アマゾンの最安値問題を
説明できない会計学の愚かさを問う
その2


今回は「その2」です。
前回(その1)は、次の関連ブログで紹介したように、アマゾンジャパンの最恵待遇条項を例に取り、価格上限規制を説明しました。
【資料1:関連ブログ】
価格上限規制の対極に位置するのが、価格下限規制です。
アマゾンジャパンの価格上限規制に呼応するかのように、今度は、酒類業界で価格下限規制がこの6月から始まりました。
【資料2】日本経済新聞2017年6月1日

小売店は1日から、酒税法などの改正に伴い、仕入れ原価と販売管理費の合計を下回る金額で売り続けると酒販免許取り消しなど厳しい罰を受ける。

安売りの原資としてきたメーカーからのリベートも減り、スーパーは値上げを避けられない。

上記の記事にあるとおり、安売りの規制を強化することを、経済学では価格下限規制といいます。
価格下限規制については、次の『マンキュー・ミクロ経済学』であれば178ページ〔図6-4〕を参照。 『クルーグマン・ミクロ経済学』であれば182ページ〔図5-6〕または184ページ〔図5-7〕を参照。
マンキュー ミクロ経済学
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上記【資料1:関連ブログ】のときの需要曲線は、最終消費者が直面するものではない、と注意しました。 今回(その2)の需要曲線は、最終消費者が直面するものです。 今回(その2)の供給曲線は、酒類販売店や酒類メーカーが直面するものです。
種類の安売り規制強化が抱える問題点は、『クルーグマンミクロ経済学』184ページ〔図5-7〕で説明することができます。 1つめは、この〔図5-7〕において、灰色で塗られた部分が発生することです。 これは、酒類市場全体で大きな損失が発生していることを表わしています。 2つめは、消費者余剰の一部が、生産者余剰へ転嫁することです。 これは、飲んべえの嗜好を、酒類販売業者や酒類メーカーが搾取することを表わします。 3つめは、酒類販売業者や酒類メーカーは生産者余剰の一部(〔図5-7〕の灰色の部分)を失うことになりますが、その損失部分を犠牲にしても、飲んべえの消費者余剰を搾取するほうが、酒類販売業者や酒類メーカーに利得をもたらすことになります。
アマゾンジャパンの件では同社を説き伏せることに成功した公正取引委員会ですが、酒税法に関して公正取引委員会は惨敗です。
【資料3】日本経済新聞「春秋」2017年6月2日

たしかに不当廉売は問題だが、公正取引委員会が取り締まればいい。

なぜ酒類だけが特別扱いの法律で守られるのか。

消費者利益は二の次に、票につながる業界保護を優先したのが透けて見える。

官僚は、民間企業には強くても、政治家には弱いということか。
【資料4】産経新聞産経抄」2017年6月3日

「私、座右の銘が『面従腹背』なんです」。

学校法人加計学園獣医学部新設計画をめぐり、退任後に首相官邸批判を始めた前川喜平・前文部科学事務次官が1日、テレビ朝日番組で言い放ったセリフである。(途中略)

「役人の心得として面従腹背の技術、資質は持つ必要がある」。前川氏はこうも得々と語り、独自の吏道論を披露していた。

こんな連中を税金で雇っているとは腹立たしい。 国民の納税意識が低下するわけだ。

公認会計士高田直芳:アマゾンの最安値問題を説明できない会計学の愚かさを問う(その1)


アマゾンの最安値問題を
説明できない会計学の愚かさを問う
その1


次の記事を読んだ人は多いことでしょう。
【資料1】日本経済新聞2017年6月2日

電子商取引(EC)大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)が、最安値での出品を納入業者に保証させる契約を見直すことを受け、公正取引委員会は1日、契約が独占禁止法に違反するかを判断するための調査を打ち切ると発表した。

上記の記事について、経済学または会計学の視点で、次の3回にわたり、いくつかの問題点を紹介することにします。
【資料2:関連ブログ】
今回、公正取引委員会が問題視したのは、最恵待遇(MFN)条項と呼ばれる契約手法です。
【資料3】日本経済新聞2017年5月31日

インターネット上の様々なECサイトはそれぞれ契約期間の長さや割引率などが異なるため、企業が製品などを納める価格も本来は異なるはずだ。

アマゾンは強い取引上の立場を使って納入業者に対して他の競合ECサイトと同等の価格・品ぞろえを約束させている。(途中略)

アマゾンに限らず幅広い品ぞろえと低価格を実現するため小売業界などで一般に用いられてきた手法だが、電子商取引(EC)市場で急成長を遂げたアマゾンの市場支配力が強まり過ぎるとして懸念も出ていた。

最恵待遇(MFN)条項というのは、経済学でいう「価格上限規制」です。 価格上限規制については、次の『マンキュー・ミクロ経済学』であれば172ページ〔図6-1〕を参照。 『クルーグマン・ミクロ経済学』であれば172ページ〔図5-2〕または174ページ〔図5-3〕〔図5-4〕を参照。
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マンキュー・ミクロ経済学』や『クルーグマン・ミクロ経済学』に掲載されている図を見て間違えてならないのは、右上がりの供給曲線はアマゾンへの納入業者が直面するものであり、右下がりの需要曲線はアマゾンが直面するものである、と見立てることです。 ここで描かれている需要曲線を、アマゾンから商品を購入する最終消費者が直面するもの、と見立ててはいけません。
公正取引委員会が問題視した最恵待遇条項が抱える問題点は、『クルーグマンミクロ経済学』174ページ〔図5-4〕の右図で説明することができます。 1つめは、この〔図5-4〕において、灰色で塗られた部分が発生することです。 これは、市場全体で大きな損失が発生していることを表わしています。 2つめは、生産者余剰の一部が、消費者余剰へ転嫁することです。 これは、納入業者の利益の一部を、アマゾンが搾取することを表わします。 3つめは、最恵待遇条項によってアマゾンは、消費者余剰の一部(〔図5-4〕の灰色の部分)を失うことになりますが、その損失部分を犠牲にしても、納入業者から搾取する生産者余剰のほうがはるかに「お得だ」ということです。 【資料3】の記事にもあるとおり、市場支配力が強すぎる企業の場合、いま述べた3つの問題が現われます。 公正取引委員会は、それが、けしからん、ということです。