公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:権威主義へ挑戦するのは苦労する


権威主義へ挑戦するのは苦労する

2015年3月11日付の日本経済新聞『大機小機』で、「権威主義の崩壊」という記事が掲載されていました。 一部を引用すると、次の通り。

権威主義からの脱却なくしてイノベーションは生み出せない。

権威主義の下では組織に閉塞感が漂い、自由な発想が出てこない。

弁護士や公認会計士などの専門家も、資格という権威だけで尊敬される時代は終わった。

イノベーションにつながる新しいアイデアは、様々なバックグラウンドを持つ人々が「よそ者視点」で対話を重ねることで生まれる。

日本経済新聞『大機小機』
2015年3月11日
上記の記事を読んで思うのは、「そんなに簡単なことではないよ」と。
権威主義を突き破るのが、どれほど大変なことかは、当事者になって取り組んでみないとわかりません。
例えば管理会計論や原価計算論では、固定費・変動費・限界利益損益分岐点といった概念が、百年以上にわたって語り継がれてきました。 日本経済新聞で、「固定費」という語で過去1年間の検索を行なうと、216本もの記事がヒットします。 会計系の書籍や雑誌などでも、固定費と変動費の分類は、何の疑いもなく用いられています。 限界利益損益分岐点などは、会計の世界では「権威主義の権化」ともいえる概念なのです。 それを完全否定したのが、次の論文です。
上記の論文は、管理会計論や原価計算論の「根っこの部分」を一刀両断した内容です。 それにもかかわらず、よくもまぁ、受賞できたものだと、我ながら感心しています。 私が選考委員の立場であった場合、自分が今まで学んできた「権威」を否定する論文に対して、賞を授与できたかどうか、自信がありません。 日本では、どんなに独創的な理論であろうとも、どんなに革新的な理論であろうとも、大学院や学会に籍を置いていないと論文を応募することさえできません。 「学会賞」や「学術賞」とはそういうものであり、権威主義を突き崩そうにも、応募する前に門前払いされます。 日経の「大機小機」には、イノベーションを受け入れる側の、度量の深さも付け加えるべきでしょう。
新日本法規財団 奨励賞」 は、論文枚数の上限が60枚もあり、公認会計士や弁護士などの実務家にも門戸を開いている、唯一の賞です。 他の受賞者の肩書きを見ると、ほとんどが大学院在籍者。 実務家に門戸を開いている賞とはいえ、栃木に下野した「よそ者」が挑むのは分不相応だったか。 しかし、象牙の塔の中でお題目を唱えていては、権威主義を打破することはできません。 実務家だからこそ、自由な発想をもって、「狭き門」を突破していかないと。 貴君の名刺に刷り込まれた個人名は、資格や肩書きに負けていないでしょうか。 資格や肩書きなどを名刺に刷り込んでおかないと安心できないようでは、権威主義に負けてしまいます。 なお、今回の奨励賞の選考委員の書籍を以下に掲げます。
相続税財産評価の理論と実践
ぎょうせい
品川 芳宣 (筑波大学名誉教授・弁護士)
緑川 正博 (公認会計士・税理士)

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論文で「賞を獲る」というのは、少なくとも、上掲の書籍を執筆された先生を納得させる内容である必要があります。
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