公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:バックフラッシュ・コスティングの裏事情


バックフラッシュ・コスティングの裏事情
『高田直芳の実践会計講座 原価計算』補足説明

国内では「バックフラッシュ原価計算」の呼び名のほうが通用しています。 原価計算論の後半に登場する理論です。
JIT(ジャスト・イン・タイム)の生産方式を採用する、自動車業界などで観察される原価計算制度です。
バックフラッシュ・コスティングの仕組み自体は、とてもよく練られたものであり、原価計算制度の構築に頭を悩ませている担当者は、一度は学ぶべき理論です。
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ただし、私が初めて、バックフラッシュ・コスティングを学んだとき、アゴのあたりに、妙なむず痒さを感じました。 なぜでしょう。
バックフラッシュ・コスティングは、先ほども述べたように、日本の自動車業界で採用されている生産方式を、原価計算制度として構築したものです。 つまり、「日本発」の原価計算なのです。 ところが、日本で普及している名称は、カタカナの「バックフラッシュ・コスティング」。 「日本発」のはずなのに、なぜ、漢字の名称ではなく、カタカナ(正確には backflush costing )の名称のほうが普及しているのでしょう。 理由は、日本の研究者が日本の生産方式を研究したのではなく、アメリカの研究者が日本の生産方式(JIT)を研究して、それを英語の論文としてまとめたのが、バックフラッシュ・コスティングの始まりだからです。 そして、その英語で書かれた論文を日本語に「翻訳」して「逆輸入」し、自分たちの足元に、JITという優れた生産方式があることを、初めて知ったという次第。 だから日本では、バックフラッシュ・コスティングというカタカナ表記になるわけです。 要するに、英語で書かれたものを、日本語に翻訳したものでなければ、日本人は評価しないということ。 EBITDA、EVA、スループット会計、活動基準原価計算も同じです。
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私がこのブログなどで再三糾弾している損益分岐点分析(CVP分析)も、100年以上も前に、海外から輸入された理論です。 日本の会計分野では、イノベーションを起こそうという気概のある人がいないので、この100年間、管理会計原価計算などに関する書籍の冒頭は、「なんとかの一つ覚え」のように損益分岐点分析が解説されてきたのでした。 自分たちの足元に「実務の種」がたくさんあるのにそれを育てようとせず、海外文献の翻訳とその孫引きを繰り返しているのが、日本の会計なのです。 海外文献の翻訳権を勝ち取ることが、第一人者としての業績だ、と考えている人もいます。
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そうした風潮を乗り越えていこうという気概を、以下の受賞論文に吹き込んでいます。
上記の受賞論文で述べている「管理会計としてのタカダ式操業度分析」や「原価計算としてのタカダ式変動予算」は、もちろん、私のオリジナルであり、「日本発」の理論です。
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中島みゆきの曲に『ファイト!』があります。

闘う君の唄を

闘わない奴等が笑うだろう

そういえば、新日本法規財団 奨励賞を受賞する前の「タカダ式操業度分析」は、よく嘲笑されたっけ。 イノベーションを唱える人は多いけれど、それを自ら実行するのは、かなりの勇気を必要とします。
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