公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:『望郷海の星』湊かなえ


『望郷、海の星』
湊かなえ


望郷
文藝春秋
湊 かなえ

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同氏の作品としては、第6回(2009年)本屋大賞を受賞した『告白』のほうが有名。 ところが、私はまだ『告白』を読んでいません。 書店で平積みになっているのは、十分、承知しているにもかかわらず。
今回取り上げるのは、短編『望郷、海の星』。 日本推理作家協会賞 短編部門 受賞作。
先日のブログでも取り上げた『放課後探偵団(学園ミステリ・アンソロジー)「スプリング・ハズ・カム」』とは異なる意味での傑作。 『望郷、海の星』では、読者の固定観念(下心というべきか)を巧みに利用しています。 読者が勝手に「こっちの展開か」と決めつけていたのに、最後の謎解きで「実は、あっちでした」。 しかも、文章に澱(よど)みがない。 読み始めたときは「純文学かな」という印象がありました。 いえ、これは立派なミステリーでした。 ミステリー小説を読んでいて、ときどき感じるのは「この伏線は回収しないで終わりなの?」と思うことがある点。 今回は短編ということもあり、あらゆる伏線が最後に回収されています。 舞台が素晴らしいし、小道具も揃っている。 自室に籠もって、机上の原稿用紙を睨んでいる(パソコン画面を睨む)だけでは、こういう作品は書けないなと。 それでもまだ、『告白』を手にしない私は、へそ曲がり。