公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:ザ・ベストミステリーズ2012


ザ・ベストミステリーズ2012

「ベスト」というタイトルに偽りなし(一部を除く)の短編集でした。 収録作品は、次の通り。
  1. 湊かなえ「望郷、海の星」
  2. 石持浅海「三階に止まる」
  3. 近藤史恵「ダークルーム」
  4. 杉井光超越数トッカータ
  5. 大門剛明「言うな地蔵」
  6. 高井忍「新陰流“月影"」
  7. 長江俊和「原罪SHOW」
  8. 長岡弘樹「オンブタイ」
  9. 深水黎一郎「現場の見取り図 大べし見警部の事件簿」
  10. 三上延 「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』」
  11. 両角長彦「この手500万」
  12. 米澤穂信「死人宿」
  13. 詠坂雄二「残響ばよえーん」
上記のうち「望郷、海の星」は、他の書籍で既読。 「三階に止まる」は、微笑ましいホラー小説。 ホラーに、微笑ましいという要素が結びつくものなのかどうかは、不明です。 「ダークルーム」は、もう少しホラー色があってもよかったかな、という内容。 後日譚が知りたいなと。 「超越数トッカータ」は、実際に確かめてみたい衝動に駆られる作品。 「これって、あり得るかもしれない」と思わせるところが見事。 ただし、「2ちゃんねる」を利用した騒動は、いただけない。 「言うな地蔵」は、最悪のオチを予想していたのに、「最後に正義は勝つ」というオチに唖然。 主人公の行動に拍手。 「新陰流“月影"」は、十兵衛よ、武芸者にしては喋りすぎ。 でも、好感が増したのも事実。 強烈な印象として残ったのが「原罪SHOW」。 殺人・自殺・事故死などを、ショービジネスにするとは。 ガソリンで「焼き殺されていく人」の心理描写は、胸焼けが起きそうでした。 ホラー小説が苦手な人は、決して読んではならない、秀作です。 「オンブタイ」は、途中からカラクリがわかってしまった。 でも、最後の一行は、なるほどねぇ、というものでした。 深水黎一郎「現場の見取り図 大べし見警部の事件簿」は、読者をこれほどコケにしたものはない、という愚作。 ダジャレがオチだなんて、この作家は、ミステリーを舐めています。 これを「ベスト」に選んだ選者も、どうかしている。 「この手500万」は、映画「スティング」(ポール・ニューマンロバート・レッドフォード)のような展開になるのかと思いきや、そっちへ展開するんだね、というものでした。 毒をもって毒を制す、といったところか。 最後に示された参考文献も、オチの一つと受け止めました。 「死人宿」は、この作家ならでは、の展開。 本ブログ記事で紹介した「氷菓シリーズ」でも、断片的な情報から、偽札事件を推理する話がありました。 ただし、「死人宿」には、最後にもう一ひねりがありました。 「残響ばよえーん」は、途中、冗長な文章が続くので「読むのをやめようかな」と思っていたら、最後に見事な伏線の回収。 そういう推論の仕方もあるんだね、という内容でした。 それにしても、こんなにたくさんの人が殺されては、そりゃあ、日本の人口も減るだろうさ。