公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:東芝で今度は利益の先食いと評価減の先送り


東芝で今度は「利益の先食い」と「評価減の先送り」
『決定版ほんとうにわかる管理会計&戦略会計 第2版』補足説明

2015年6月23日付の日本経済新聞で、次の記事がありました。

パソコンでは、取引先に部品材料を売った際に会計上の一時的な利益が出たが、これを後で調整せず、結果的に利益を先食いする形になった。

2015年6月23日付、日本経済新聞
上記の記事の一行前に、半導体の在庫について「将来の需要回復を期待して評価減をしなかった」とありました。
「利益の先食い」やら「評価減の先送り」やら、東芝もここで踏ん張らないと、「粉飾決算のデパート」というレッテルを貼られかねません。 なんとしてでも頑張ってほしいものです。
上記の記事にある「利益の先食い」を説明する前に、東芝問題で有名になった「不適切な会計処理」について整理しておきます。
日本公認会計士協会不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について』では、不適切な会計処理を次のように定義しています。

本研究報告では、不適切な会計処理の定義を「意図的であるか否かにかかわらず、財務諸表作成時に入手可能な情報を使用しなかったことによる、又はこれを誤用したことによる誤り」(過年度遡及会計基準第4項における「誤謬」と同義)とする。

意図的に行なうものを「不正」といい、意図的でないものを「誤謬」といいます。
しばしば耳にするのが、「意図的ではあるけれど、それは会社のために良かれと思ってやったこと。個人的に利益を得た行為は一切ありません」と抗弁する社員がいることです。 会社のためか、個人のためかに関係なく、投資家などの第三者を欺くものであるならば、それは「不正」になります。
「誤謬」には、次のパターンがあります 。

  1. 財務諸表の基礎となるデータの収集または処理上の誤り

  2. 事実の見落としや誤解から生じる会計上の見積りの誤り

  3. 会計方針の適用の誤りまたは表示方法の誤り
評価減の先送りや、利益の先食いまで表面化しては、「誤謬」の範疇を超えます。
不正や誤謬に関係なく、利益を過大表示することを「粉飾決算」といいます。 その反対に、利益を過小表示することを「逆粉飾」といいます。 さて、「部品材料に係る利益の先食い」問題です。 これは次のブログ記事で説明します。
【関連ブログ】
「有償支給」の文字を見て尻込みするような会社は、不適切な会計処理が「おいで、おいで」と手招きすることでしょう。
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