公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる









はてなブログは、ウェブリブログのバックアップ用であり、更新には数日の遅れがあります。

はてなブログ内のリンクはすべて、ウェブリブログへ接続します。

公認会計士高田直芳:タカダ式操業度分析は東芝の粉飾決算の存在を暗示していた


タカダ式操業度分析は
東芝粉飾決算の存在を暗示していた


2015年7月19日付の毎日新聞は、東芝の不適切会計問題について、次の記事を掲載していました。

同社幹部は「今回の問題が『意図的』と認定されるのは仕方がない。『粉飾』と批判されるのではないか」と不正会計を事実上認めており、経営責任は極めて重いとの認識が広がっている。

毎日新聞、2015年7月19日付
東芝の第三者委員会の報告書が、7月20日の夜に「要約版」、翌21日に「全文」として公開されるとのこと。
その前に、本日(19日)の時点で、私のオリジナル理論である「タカダ式操業度分析」が、東芝の「不適切な会計処理」を予見できていたのかどうかを検証しておきます。
次の【資料1】は、本年(2015年)3月に、新日本法規財団 奨励賞 を受賞した学術論文の、22ページに掲載していた図表です。
【資料1】
画像
上記【資料1】にある〔図表32〕は、東芝有価証券報告書をもとに、タカダ式操業度分析を適用して、それを四半期ベースで時系列展開したものです。 〔図表32〕の左端にある「12/3」は、「2012年3月」を表わします。 〔図表32〕の右端にある「14/3」は「2014年3月期」を表わします。
〔図表32〕の「13/3(2013年3月期)」以降、黒色の実線で描いた「実際操業度率」が徐々に上昇し、「13/9(2013年9月期)」でピークを迎えていることがわかります。 「13/12(2013年12月期)」以降、実際操業度率は低下傾向を示していますが、「12/12(2012年12月期)」以前に比べると、実際操業度率は高めに推移しています。 なお、実際操業度率とは、実際の売上高を、予算操業度売上高(量産効果の底となる売上高)で割って、百分率で表わしたものです。 量産効果は、スケールメリット scale merit ともいいます。
〔図表32〕を見ると、2013年の中盤に、「何かがあった」ことがわかります。 何があったのか。 当時の出来事を調べると、2013年6月に東芝の前社長は副会長(事実上の退任)となり、現社長が同年同月に就任しました。 現社長が就任した直後の2013年9月に、〔図表32〕にある「13/9(2013年9月期)」の実際操業度率は、急上昇していったのでした。 なるほど、社長の交代時期と、〔図表32〕とが、それなりに符合しています。
上記【資料1】の〔図表32〕の原文は、次の受賞論文の22ページに収録してあるものです。
上記の受賞論文は、2014年10月末の締切で応募したものです。 応募した時点で、東芝に「不適切な会計処理」が行なわれているとは想像もしていませんでした。 しかし、〔図表32〕で描かれたタカダ式操業度分析は、東芝の内部で「何かが行なわれていた」ことを、暗示していたのでした。 まさかねぇ、〔図表32〕にある実際操業度率の上昇が、「不適切な会計処理」の影響だったとは。
タカダ式操業度分析は、次の拙著で解説しています。 タカダ式操業度分析に、企業の粉飾決算を見抜く力があるかどうかは、わかりません。 後講釈といわれれば、それまでの話です。 とりあえず、東芝の第三者委員会の調査報告書が公表される前に、このブログを公開しておこうっと。