公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:『会社は毎日つぶれている』西村英俊


『会社は毎日つぶれている』
西村英俊


著者は、旧日商岩井の社長で、その後、ニチメンと経営統合した双日の元共同最高経営責任者(CEO)。

本書の内容は、直接的には社長職にある人へのメッセージですが、ビジネスパーソンであれば誰が読んでも身につまされる話が盛りだくさん。
以下は、論より証拠、一部を引用します。

事業のスタート時にはリスクを検討し尽くしたと考えられたものの、実際やってみると見込み違いが発覚しました。

にもかかわらず社長案件なので何とか取り繕おうとします。

同書19ページ
社長案件に限らず、花形の事業部門から社長に就任した場合、その事業部門で起きた見込み違いは、必死に隠されることになります。

世にいうコンサルタントや金融機関の人たちは、会社の外形を見てすぐに整形をしたがる。

内実の病巣や仕組みの不具合をじっくり根本から治すことなんか時間がかかってまだるっこいと思うのでしょう。

「市場が求めているのはこれです」とか何とか、聞かねばならないように追い込んで、決算書上の数値だけを整形する。

同書28ページ
企業の外側で決算書云々を語るのではなく、企業の内側に入って当該企業の人たちと語るときは、決算書の数値を取り繕うアドバイスは何の意味をも持たないことがわかります。

日本人は極めて潔癖で完全を求めます。

要求は細部にわたり、本来の機能から考えるとどうでもよいのではないかと思えるほどに徹底することをよしとします。

(略)約束は忠実以上を求め、保証というのは絶対に間違いないものと考えています。

時間は1分1秒でも狂いは許さないという完璧主義なのです。

同書63ページ
その通りだなぁ。 わかっていながら、改めるのが難しい。

西欧の考え方でいう「人間の作るものにはどうしても間違いがあるのだから、瑕疵のある商品はできて当然、だけどそれを直すことを保証すればよいし、約束している性能表示にはもともと、機能上許される誤差があるのだ」という考え方とは一線を画す考え方を、日本人と日本市場は持っています。

同書63ページ
一線を画したところに、モンスターカスタマーがいます。

下の人たちは悪い情報はなるべく上に報告したくない。

報告するにしても、まずあまり大きな問題ではない、当社の被害は大したことはないという報告にしたい、部下たちは、できれば対策を立ててから報告をしたいという習性を持っています。

同書136ページ
誰だって怒られたくないもの。 誰だって、いつかは好転するものと、甘い考えでいるのだもの。

会社の中で不都合なことが起こっている、それを明らかにしようとする良心を持った現場の人がいても、上司が聞かない、あるいはその問題意識が間違っているかもしれないが、議論した上で納得するチャンスが与えられていない。

(略)直属の上司や組織がなんとか蓋をしようとする。

(略)そんなこんなで正義に燃える告発者は社内に活路を見出すことができずに、外部、メディアに司法に行政に市民団体に、告発文を送りつけることになる。

同書150ページ
こうして内部告発が行なわれると、当該企業は、メディアの格好の餌食になります。 特にメディアは、不名誉な事件に加えて、当該企業に隠蔽体質があると、「ダブルのおいしさ」ということで、狂ったように報道合戦を繰り返します。 事実を報道するというメディアの使命を忘れ、とにかく社長に頭を下げさせて、その写真を配信することがメディアの使命だと考える。
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