公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる









はてなブログは、ウェブリブログのバックアップ用であり、更新には数日の遅れがあります。

はてなブログ内のリンクはすべて、ウェブリブログへ接続します。

公認会計士高田直芳:自己資本利益率ROEの分子は、なぜ、当期純利益に限定されるのか

金融商品取引法会社法などの法令、そして税効果会計をはじめとする会計基準、これらの「解釈」を開陳するにあたって、私よりも有能な人材はザラに存在します。
しかし、彼ら(彼女ら)が有能なのは、“know how” の説明です。 “know why” の説明について、持論を述べられる人は皆無です。
他人の受け売りや猿真似は、持論といいません。 オリジナルのものを考え、自らの言葉で語ることができるかどうか。
例えば、自己資本利益率ROEの分子は、なぜ、当期純利益に限定されるのか。 なぜ、営業利益や経常利益で、自己資本利益率ROEを計算しないのか。
次の拙著『決定版ほんとうにわかる財務諸表』135ページで、私は持論 “know why” を述べています。
【資料1】

ここでふと考えて欲しいのが、損益計算書の当期純利益1,000千円は、どのようなプロセスを経て計上されたものなのか、という点です。

もちろん、6か月間じっとしていたわけではないですし、6か月が経過していきなり儲けが湧き出てきたわけでもありません。

毎日の企業活動を想像してみてください。

企業は、昨日稼いだキャッシュを今日へ再投資し、今日稼いだキャッシュを明日へ再投資していることがわかります。

元金と利息をそのまま再投資していくことを「複利」といいます。

すなわち、企業というのは昨日から今日へ、今日から明日へと「日々複利の連鎖」を実践している生き物であり、〔図表3-23〕の財務諸表は「複利の過程と成果を表わしている」と解釈すべきなのです。

そうした観点で〔図表3-23〕にある資本金14,000千円を見ると、これは「元金」です。

そして、損益計算書の当期純利益を経由して、貸借対照表の利益剰余金に計上された1,000千円は、「利息増殖分」になります。

したがって、貸借対照表の「純資産の部」に計上されているものは、元金と利息を合わせたもの、すなわち日々複利を繰り返していった「元利合計額」である、とするのが本書オリジナルの解釈です。

上記【資料1】によれば、営業利益や経常利益は、「利息増殖分」としては不十分。 自己資本利益率ROEの分母(元利合計額)に対応する分子は、利殖増殖分たる当期純利益に限定される、というのが、私の持論です。 これを「複利計算構造説」とでも名付けておきましょう。 もちろん、私1人が唱える、オリジナルの説にすぎませんが。 相手を批判するのであれば、他人の受け売りや猿真似ではなく、オリジナルの持論をもって行ないましょう。
ちなみに、「企業活動は複利計算構造を内蔵する」ということを普遍的な原理としてまとめたものが、次の【資料2】にある受賞論文です。
【資料2】
法令や会計基準の「解釈」であれば、企業内部にも有能な人材が豊富に揃っています。 企業外部の監査人が、法令や会計基準を「なぞり書き」した解釈しかできないようでは、そりゃあ、ナメられるというものさ。
上場企業のみなさんへ。 今度、公認会計士経営コンサルタントたちが、貴社を訪ねにきたら、次の質問をしてみるといいでしょう。 自己資本利益率ROEの分子は、なぜ、当期純利益に限定されるのか、と。 もし、複利計算構造説で回答する人がいたら、「それって、高田直芳のパクリでしょ。専門家として恥ずかしくないの?」と、応じてやりましょう。
広告を非表示にする