公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:経営分析や経営診断の学びかた

インターネットのアマゾンが、どういう趣旨で「経営診断」というカテゴリーを設けているのか、その趣旨は知りようがありません。
2016年2月に発売された次の拙著は、「経営診断」というカテゴリーに分類されています。
手前味噌ながら、経営分析や経営診断の入門書として、上記の拙著はよくできていると自負するものがあります。
数式は、加減乗除の四則演算に限定。 中学の算数で読み解ける内容です。
もう少し勉強してみたいな、という人に勧めるのが、次の書籍です。 2014年10月に、第2版の改訂版としています。 上記の拙著に、経営分析というタイトルはありません。 ただし、管理会計は、経営分析の元締めみたいなところがあるので、「なぜ」ということを、もっと深く追求したい場合、『決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計』は、お役に立つ1冊です。 上記の2冊はいずれも、「決定版」という表題が付いていますが、出版社が異なるので、お間違いなきように。
書籍通りに理論を実務に当てはめていくと、次第に納得できない現象や事実にぶつかります。 「これって、おかしくないか」という問題認識のもとに、その問題解決を図ったのが、次の1冊です。 「これって、おかしくないか」の典型的な例が、経営分析や管理会計の世界で、絶対的通説として君臨する、CVP分析です。 損益分岐点分析・限界利益分析・線形回帰分析とも呼ばれます。 CVPというアルファベットを用いていなくても、固定費・変動費・損益分岐点限界利益などの語を用いているものは、すべからくCVP分析に属します。 上場企業の決算短信に掲載されている「業績予想」は、CVP分析に基づいて行なわれていますから、上場企業3千社のすべてで、CVP分析は絶対的通説として君臨しています。 その基本となるのが、次の【資料1】に示す図表。 「CVP図表」や「損益分岐点図表」と呼ばれます。
【資料1】
画像
経営分析や管理会計と名の付く書籍では、【資料1】のCVP図表は必ず掲載されています。
上記【資料1】の図表で気をつけたいのが、線分BC。 これは、企業のコスト構造を、1次関数で表わしています。 1次関数とは、預金の利息計算でいえば、単利計算のこと。 つまり、現代の経営分析や管理会計の根底にあるのは、企業のコスト構造を、単利計算で捉えようとするものです。
しかし、企業実務をじっくり観察すると、次の【資料2】の事実が浮かび上がります。
【資料2】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
上記【資料2】の事実をもとにするならば、企業のコスト構造は、1次関数の単利計算構造ではなく、複利関数を用いた複利計算構造で解き明かされなければなりません。 その問題認識と問題解決に取り組んだのが、拙著『高田直芳の実践会計講座「経営分析」入門』です。 上場企業では、何十万人・何百万人という人たちが働いています。 その誰一人として、企業のコスト構造の本質が、「無限連鎖の複利計算構造」であることを見抜けなかった。 その事実に、笑ってしまうのであります。
企業のコスト構造は複利計算構造で解き明かされるべきだ、と主張しているのは、私(高田直芳)一人ですが、これは奇想天外な理論ではありません。 次の【資料3】で示す受賞論文で、第三者からの評価をきちんと受けています。
【資料3】
上記【資料3】の論文を執筆するにあたっては、税金を原資とした俸給・助成金補助金などは、1円たりとも受けていません。 誰かに師事したこともなく、誰からもアドバイスや援助を受けたことはありません。 創造や革新を忘れ、象牙の塔で安住する人々と同列に見られては迷惑だ。 それが、野に下った実務家の矜持です。
ところで、ある会計システムで、【資料1】のCVP図表のX軸とY軸とを入れ替えて、線分BDの固定費を、垂直で描いているものを見かけました。 目が点になるとは、まさにこのこと。 固定費を「縦」で描くなど、管理会計論のその先の、原価計算論を冒涜するものです。 企業のコスト構造を単利計算で描くこと、それ自体に「理論上の瑕疵」があるにもかかわらず、それに気づかずに姑息な図表を描くものだなと。
コンサルティングで重要なのは、「問題認識」と「問題解決」です。 コンサルティング・ファームが作成するレポートで、【資料1】の図表や、固定費・変動費・限界利益損益分岐点などの用語を見かけたら、「この人たちは『理論上の瑕疵』に気づかずに、経営分析や管理会計などを語っているのだな」と、腹を抱えて笑ってやりましょう。 上場企業やコンサルティングファームの人たちよ。 経営分析や管理会計に潜む「理論上の瑕疵」を問題認識することなく、、あなたがたは何の問題解決を図ろうというのだろう。
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