公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:権威主義にまみれた管理会計や原価計算制度が、カイゼン活動の足を引っ張る


権威主義にまみれた管理会計原価計算制度が
生産管理やカイゼン活動の足を引っ張る


前回ブログ『売上値引という「隠れ変動費」に気づかぬ財務会計システムの愚かしさ』では、次の問題点(要旨)を指摘しました。
【資料1】

  • 現在の原価計算システムや管理会計システムでは、そのすべてで、勘定科目法または費目別精査法による固変分解が採用されている。

  • ところが、変動費としての性質が強く表われる「売上値引き」が、まったく考慮されていない。

  • 売上値引きが「隠れ変動費」となっているにもかかわらず、その事実を、学者も実務家も気づいていない。

  • その結果、原価計算システムや管理会計システムは、システムとして破綻しているにもかかわらず、上場企業から中堅中小企業まで、破綻している事実に気づいていない。

前回ブログ『売上値引という「隠れ変動費」に気づかぬ財務会計システムの愚かしさ』では、売上値引きが「隠れ変動費」になっている事実を指摘しました。 売上値引きにはもう一つ、「隠れボトルネック」という問題点が潜んでいます。
ボトルネックとは、隘路(あいろ)のこと。 ボトルネック(隘路)を改善するには、そこを拡張するか、リストラによって前後を縮小するか、といった方策がとられます。 大規模なものとして取り組むのが、コモディティ化です。 自動車業界であれば、車台を共通化したり、協力工場を集約したりすることです。 ただし、コモディティ化には、いったん事故などが起きると、すべての生産ラインが止まる、という副作用があります。 そうした「落としどころ」をどこに見出すかが、生産管理やカイゼン活動の腕の見せどころです。 ところが、です。 生産管理やカイゼン活動には、決定的に欠け落ちている「視点」があります。
生産管理やカイゼン活動の基本は、「数量ベース」や「時間ベース」の管理にあります。 それに対し、売上値引きには、次の特質があります。
【資料2】

  • 売上値引きは、生産現場ではなく、販売の現場で行なわれる。

  • 売上値引きは、「数量ベース」や「時間ベース」ではなく、「金額ベース」で発生する。

  • 売上値引きは、売上高から直接控除(簿外処理)される。

生産管理やカイゼン活動に携わる人たちは、「作ったものはすべて、定価で売れる」ことを前提としています。 「販売する苦労」をまったく理解せず、売上値引きなど「生産管理には関係ない」という態度をとります。 生産現場に限らず、企画部門や財務部門の人たちも、「販売する苦労」をまったく理解していない。 だから、売上値引きというボトルネックを、誰一人として、カイゼンしようとしないのです。
私(高田直芳)が、本社の企画部門・財務部門や、工場の生産管理部門を訪問したときに提示される資料の冒頭には、売上高が計上されています。 これ(売上高)って、売上値引きという「隠れ変動費」や「隠れボトルネック」を、直接控除(簿外処理)した後のもの。 そのような資料に、どのような価値があるのか。
「隠れ変動費」や「隠れボトルネック」である売上値引きは、どうしたら顕在化できるか。 その解決策が、次の受賞論文で提起している「タカダ式操業度分析」であり、「タカダ式変動予算」です。
権威主義にまみれた管理会計原価計算制度では、生産管理やカイゼン活動に役立たぬ。 むしろ、足を引っ張る存在であることを、推して知るべし。
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