公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座

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公認会計士高田直芳:体系なき会計学 実証なき経済学

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~ 企業価値ファイナンスの革新を目指して<第5回> ~
体系なき会計学 実証なき経済学


従前ブログ『企業価値とファイナンスの革新を目指して<第1回>実務に役立たない理論を学ぶ恐怖』では、次の【資料1】の図表を提示しました。
【資料1】
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上記【資料1】は、次の拙著の第4節の最終ページ〔図表12-40〕に掲載してあるものです。
【資料2】
上記【資料1】は、私(高田直芳)が展開する「タカダ式会計の体系」を、簡明に表わしたものです。
【資料3】

  1. 上記【資料1】の体系全体を支配するのは、「複利思考」です。

  2. 上記【資料1】の左側にある「タカダ式操業度分析」は、「費用は複利で逓増する」という考えに基づいています。

  3. 上記【資料1】の右側にある「最適資本構成タカダ理論」は、「収益は複利で逓減する」という考えに基づいています。

上記【資料3】 1. にある「複利思考」は、次の実務上の観察事実に基づいています。
【資料4】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
つまり、企業活動は、複利計算構造を内蔵していることがわかります。
上記【資料3】 2. にある「費用逓増」は、あらゆる経済学書で説明されます。 参考文献を示すと、次の【資料5】の通り。
【資料5】

  • ハルRヴァリアン著『入門ミクロ経済学 原著第7版』
    勁草書房2007年3月)330頁374頁

  • グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学 第3版Ⅰミクロ編』
    東洋経済新報社2013年4月)476頁502頁

絶対に間違えてほしくないのは、経済学者が説明する「費用逓増」は、2次関数だということです。 上記【資料5】の該当ページを参照してください。 そこで説明されている費用逓増は、2次関数です。 欧米だけでなく、日本の経済学者も同じ発想です。 なお、「費用逓増だけでなく、費用逓減もあるのではないか」という疑問については、次の書籍の197ページ欄外脚注〔落とし穴〕を参照のこと。
費用逓増を2次関数で描く経済学者に対し、費用逓増の本質を「複利である」と見抜いたのは、私(高田直芳)だけであることを念押ししておきます。 その念押しは、次の受賞論文や拙著『高田直芳の実践会計講座 戦略ファイナンス』などで、著作権を確立しています。
【資料6】

企業活動の本質を「複利」で捉えた場合、費用逓増は複利関数で描かれます。 数学では、「自然対数の底e」を用いた指数関数で描かれます。 指数関数の逆関数は、対数関数です。 すなわち、「費用逓増」の逆関数は、「収穫逓減」になります。 それに拠って立つのが【資料1】の右側にある「最適資本構成タカダ理論」です。 これは次の【資料7】で描かれます。
【資料7】最適資本構成タカダ理論
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上記【資料7】では、左下の「0%」から右上に向かって、「銀行借入金」と表示した凸曲線が描かれています。 これが対数曲線、すなわち、他人資本を増加させていった場合の「収穫逓減」を表わします。 一方、【資料7】の右下にある「100%」から左上に向かって、「増資」と表示した凸曲線が描かれています。 これも対数曲線であり、自己資本を増加させていった場合の「収穫逓減」を表わします。
上記【資料7】にある2本の対数曲線を積み重ねたものが、おわん型の曲線APBです。 上記【資料7】の右端にある「 ln 」は、ラテン語の「 Logarithmus Naturalis 」の略称であり、「自然対数の底e」の対数関数です。 対数曲線APBの頂点Pにおいて企業価値は最大となり、ここから垂線を下ろした点Rで「ファイナンスの最適解」が決定される、とするのが、「最適資本構成タカダ理論」です。 費用逓増(指数関数)と、収穫逓減(対数関数)の基礎にあるのは、「複利思考」です。
【資料8】
    費用逓増 → 指数関数 → タカダ式操業度分析収穫逓減 → 対数関数 → 最適資本構成タカダ理論
上記【資料8】を、損益計算書と貸借対照表に当てはめたのが、【資料1】にある「タカダ式会計の体系」です。
翻って、いまの会計学に、一貫した体系はあるのでしょうか。 誰もが知っているCVP分析(損益分岐点分析)は1次関数であり、会計学には「費用逓増」という考えすらない。 CVP分析は、経済学者から見下される要因となっているにもかかわらず、会計の専門家たちは誰も改めようとしない。
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そうはいっても、費用逓増を、2次関数で描く経済学も、「なんだかな」といったところです。 2次関数は放物線のことだから、経済学者は縦軸の上方に、巨大な重力場を想定していることになります。 コストという球体を、水平(横軸)方向へ投げると、その球体は放物線を描いて、「上方へと落下」していく──。 ニュートンもまさか、リンゴが空に向かって「落ちていく」なんて、夢にも思っていなかったでしょう。
経済学は、なぜ、コストを2次関数で描くのか。 上場企業の有価証券報告書を用いて、2次関数で描けるのか。 そうした問いに、経済学者は誰一人として答えることができていません。 実証なき学問体系というべきか。 このような体たらくでは、2次関数の経済学が、1次関数の会計学を見下す資格はない。 目●が、鼻●を笑う類いの話です。
ファイナンスの世界に至っては、企業価値や最適資本構成の「一般公式と実務解」を提示しているのは、私(高田直芳)1人だけ。 もう一度、言わせてもらいましょう。 会計学も経済学も、なんだかな。
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