公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:東芝問題まとめその2


東芝問題まとめ その2

東芝問題をまとめたブログの一覧は、下記【資料11】にて。
さて、日本経済新聞では、東芝問題について次の記事が掲載されていました。
【資料1】日本経済新聞2016年12月27日

東芝が2017年3月期に米国の原子力発電事業で1000億円規模の特別損失を計上する見通しであることが26日分かった。

上記において、「1000億円」ではなく、「1000億円規模」という表現に、引っかかりを覚えました。 1000億円どまり? ゼロを3つも並べるのが紛らわしい。
翌日に、次の続報がありました。
【資料2】日本経済新聞2016年12月28日

東芝は27日、2017年3月期に米国の原子力発電事業で数千億円(数十億ドル)規模の減損損失が出る可能性があると発表した。

やはり、「数千億円規模」だったのだな、と納得。 上記【資料2】の記事では、続いて次の記述がありました。
【資料3】日本経済新聞2016年12月28日

WHとS&Wは2000年代後半から原発事業で協業してきた。

15年に親会社の東芝本体が会計不祥事で経営危機に陥るなか、WHは事業の一体運営を目指してS&Wの買収に踏み切ったが裏目に出た。

あれれっ? 【資料3】の記事って、因果関係が入れ替わってはいないか。 上記【資料3】の記事を素直に読むと、次の順序となります。
【資料4】
  1. 会計不祥事が原因で経営危機に陥った。
       ↓
  2. そこで、原発事業の一体運営を目指した。
       ↓
  3. ところが、裏目に出た。
2015年に東芝の不適切会計問題が発覚して以降、私は次の因果関係で理解していました。
【資料5】
  1. 原発事業が、2000年代後半から裏目に出て、経営危機が表面化する恐れが生じた。
       ↓
  2. その裏と表を取り繕う弥縫(びぼう)策として、粉飾決算に手を染めた。
       ↓
  3. 結局、原発事業が原因で経営危機に陥っていたことを認めざるを得なくなった。
       ↓
  4. 年末年始の長期休暇を見計らって、今回、公表することにした。
経営危機の原因は、会計不祥事ではなく、原発事業にあるはず。 もう1本、記事を引用します。
【資料6】日本経済新聞「社説」2016年12月30日

昨年末に子会社の米ウエスチングハウスを通じて買収した、原子力発電所の建設などを手がける米企業で想定外のコストが生じ、数千億円規模の減損損失が発生するおそれがあるという。

上記【資料6】の記事にある「減損」については、次の関連ブログを参照。
【資料7:関連ブログ】
上記【資料6】の記事にある「昨年末」とは、2015年末のこと。 東芝の会計不祥事が発覚したのは、2015年4月。 時系列だけに注目するならば、【資料3】の記事の順序は正しい。
しかし、これほど短兵急に、企業買収を進められるものだろうか。 個人が宅地を買って、自宅を新築するのにも、数か月を要します。 すぐに取りかかれるはずもなく、その何年も前から、家族会議で住宅ローンを含めた検討をするものです。 米企業の買収は、2000年代に意思決定されていたに違いない。 2010年代になって、「これは、ヤバイぞ」ということで粉飾決算に取り組んだ、という因果関係のほうが納得できます。 東芝で巨額の減損が発生する可能性については、2015年9月の、次の関連ブログで、予言していたとおりです。
【資料8:関連ブログ】
2016年12月になって、いまさら何を騒ぐ。
今回のプレス発表について、メディアと事前に入念な打ち合わせをしていた感がなくもない。 記事の字句通りに読む危うさは、次の関連ブログでその一端を紹介しました。
【資料9:関連ブログ】
深読みすぎるこの性格は、ミステリー小説の読み過ぎか。 私の見立てが違っていたのなら、ごめんなさい。 東芝問題は意外と奥が深そうですが、この東芝問題を、次の関連ブログで説明している「会計物理学」で解き明かすには、実務家である私には時間が足りません。
【資料10:関連ブログ】
年明けに新たな展開があれば検証することとして、とりあえず本ブログでいままに扱ってきた東芝問題を下掲の【資料11】で「まとめ」ておきます。 【資料11】は他者のブログのまとめではなく、私自身のブログのまとめですから、いわゆる「まとめサイト」(キュレーション・サイト)と混同しないようにしてください。 スマホ版ではなくPC(パソコン)版の場合、このブログの左上に「ブログテーマ 不正会計&監査の蹉跌」が表示されています。 これをクリックすると、東芝問題だけでなく、それ以外のものも参照することができます。
【資料11】時系列〔降順〕