公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:因果関係の逆転その2クルーグマンミクロ経済学章末問題


因果関係の逆転その2
クルーグマンミクロ経済学
章末問題


クルーグマンミクロ経済学第2版』88ページ章末問題「8.経済成長率」に関する問題は難しい。 まず、問題文にある因果律を整理すると、次のようになります。
【資料】

(1) 一国の1年ごとの経済成長率が高くなる。

→ (2) 一国の居住者はもっと多くの自動車を買う。

→ (3) 旅行にももっと出かけるようになる。

→ (4) 大気中の汚染物質をより多く放出するようになる。

上記【資料】では、(1) と (2) の間に、重要な因果律が抜け落ちています。 「所得の増減」です。 マクロ経済の単純なモデルによれば、「 所得 Y = 消費 C + 貯蓄 S 」になります。 なお、「 Y = C + S 」は恒等式であって、方程式ではありません。 お間違えなきように。
さて、所得が増えても、そのほとんどが貯蓄に回った場合、汚染物質は放出されません。 また、経済成長率が高くても、その恩恵を受けない人たちがいます。
いまの日本経済は、どうなっているのか。 2017年4月30日付の日本経済新聞によれば、「前期上場企業、収益構造を変革、円高でも最高益」とありました。 ところが、その前日の記事では、「景気『拡大』でも物価伸び悩み、賃上げ鈍く消費低調」とありました。 それと符合するかのように、4月3日付の記事では、「タンス預金が止まらない」とありました。 3月2日付の記事では「生活保護最多、164万世帯」とありました。 日経記事によれば景気は拡大しているはずなのに、その恩恵を受けず、所得が増えない場合もあるということ。 風が吹けば桶屋がもうかる式の、単純な因果関係を語るのは難しい。