公認会計士高田直芳 会計物理学&会計雑学講座










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公認会計士高田直芳:キャッシュフロー計算書にも複利計算構造と周期運動が内蔵される


キャッシュフロー計算書にも
複利計算構造と周期運動が内蔵される


今回は、キャッシュフロー計算書(連結キャッシュフロー計算書を含む)にも、複利計算構造(自然対数の底 )がビルトイン(内蔵)されている、という話です。 一番下の【資料12】では、周期運動の方程式を提示します。
まず、私(高田直芳)が創設した会計物理学では、次の命題を発火点として、損益計算書(連結損益計算書を含む)には、複利計算構造が内蔵されていることを紹介しました。
【資料1】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
上記【資料1】の命題に基づき、企業のコスト構造を、次の複利関数で導出しました。
【資料2】タカダ式コスト関数
上記【資料2】は、次の【資料3:関連ブログ】の公式集のトップバッターに掲げています。
【資料3:関連ブログ】
【資料2】の右辺にある「自然対数の底 」が、複利を表わしています。 以上の論点は、次の受賞論文で証明しています。
【資料4】
次に、貸借対照表連結貸借対照表を含む)について。 企業はその規模を拡大していくにつれて、各部署が抱えるボトルネックが隘路となり、売上高の伸びが頭打ちとなっていきます。 これを「収穫逓減」といいます。 収穫逓減を、他人資本 自己資本 それぞれについて、方程式で表わすと次の通りとなります。
【資料5】
  1. 他人資本方程式

  2. 自己資本方程式

上記【資料5】にある「 」は、「 」の省略形であり、ここにも複利計算構造を内蔵した「自然対数の底 」が登場します。 上記【資料5】を組み合わせたものが、次の方程式です。
【資料6】タカダ式企業価値方程式
上記【資料6】は、様々なボトルネックに悩まされ、収穫逓減を克服しようとする企業が、現有の経営資源のもとで、自社の企業価値を最大化しようとするための方程式です。 上記【資料5】や【資料6】も、【資料3】の公式集に収録しています。
そこで冒頭で紹介したキャッシュフロー計算書です。 黒字倒産という語があります。 損益計算書では黒字を確保しているにもかかわらず、資金繰りに窮して経営破綻をしてしまうことをいいます。 ことわざで表現するなら、「勘定合って銭足らず」。 一方、損益計算書が赤字続きで債務超過に陥っていても、ベンチャー企業が事業を継続できるのは、ベンチャーキャピタルなどからキャッシュフローが提供されるからです。
すなわち、損益計算書とキャッシュフロー計算書との間には、「反比例の関係」があることがわかります。 それを図解したのが、次の【資料7】の上図です。
【資料7】
画像
【資料7】上図は、縦軸を損益計算書、横軸をキャッシュフロー計算書に見立て、反比例の式「 」に基づいて描いた双曲線です。
この双曲線と横軸との間の面積(黄色で塗った部分)に注目します。 横軸において、1から右のほうへ大きくなるにつれ、黄色の面積は増大していきます。 しかし、増大する勢いは、徐々に弱まります。 黄色の面積が増大する様子をグラフにしたのが、【資料7】下図です。 この右上がりの曲線は、対数曲線であり、その対数の底は「 」です。
【資料7】上図にある黄色の面積を、積分によって計算すると、次の通りとなります。
【資料8】
つまり、黄色の面積は、「 」を底とする「 」になります。 それが【資料3】の公式集に掲載した「最適キャッシュ残高方程式」と「タカダ式キャッシュフロー方程式」の根拠です。 次の【資料9】に再掲します。
【資料9】最適キャッシュ残高方程式とタカダ式キャッシュフロー方程式
  1. 最適キャッシュ残高方程式
    1. 2項分布を応用した最適キャッシュ残高方程式

    2. ポアソン分布を応用した最適キャッシュ残高方程式

  2. タカダ式キャッシュフロー方程式

上記【資料9】で「自然対数の底 」があちこちに顔を出すのは、【資料7】を根拠とします。 また、【資料9】で「標準偏差 」が頻出するのは、次の関連ブログによります。
【資料10:関連ブログ】
上記【資料9】が、キャッシュフロー計算書(連結キャッシュフロー計算書を含む)を、ヒモ解くための一般公式となるのだ──、と主張したいところ。 ただし、【資料9】には、何かが足りない。 実際の企業活動は、春夏秋冬の季節を経て、【資料7】上図の双曲線上を行ったり来たり。 これは周期運動であり、次の関連ブログにおいて、アース製薬東芝の事例で説明しました。
【資料11:関連ブログ】
企業は毎年、同じビジネスを繰り返しているわけではありません。 技術革新や市場拡大により、成長していくものです。 そうなると、【資料7】上図の双曲線は、右上方へシフトしていきます。 これは直線運動です。 そうした2種類の関係を、どう表わすか。
【資料12】
上記【資料12】が、周期運動と直線運動の関係を表わす式になります。
文章を書き連ねただけの会計基準有価証券報告書などを読んでいると、ときどき胸やけを起こす。 コンプライやら、エクスプレインやら。 遵守せよ、遵守できぬのならその理由を説明せよ、か。 米国からの翻訳輸入を得意気に振りかざし、「我こそは、コーポレート・ガバナンスの第一人者なり」と自慢されてもなぁ。 南北朝時代を駆け抜けた高師直にしてみれば、コーポレート・ガバナンスなど「木彫りにして神棚にでも飾っておけ」となるでしょう。 何十行・何百行もダラダラと書き連ねる代わりに、1本の方程式で鮮やかに解き明かす。 それが、会計物理学が目指す世界です。